手の中で踊る算数

算数でつまずく。
足し算、引き算、掛け算…
計算にもいろいろあるけれど。

コツは、
10のまとまりだったりします。

9と1
6と4
7と3
こんなふうに、
○と○で10がわかるとスッキリ。

算数ができるだけじゃない。
子どもは安心する。
まるで、どこに電気のスイッチがあるか知ってるみたい。
まっくらになったって、
むしろ自信がみなぎる。

だからといって、
よくある数字ブロックじゃいまいちわからなかったりする。
1と?ってなることもしばしば。

例えば、大豆やビーズ。
家の中にあるもの、
手のひらで包み込めるもの。
暮らしの気配があふれているもの。

そんなものを両手に包んで、
シャカシャカ振って、
「さあ、片手にいくつ?」

「よっつ」
「じゃあ、こっちの手は?」

そんなふうに遊ぶ。
くりかえし体を動かす。
一緒になって驚く。

知ってる手触りだったり、
思い出だったり。
暮らしのものだから、
「わたし」と関係があるものだから、
頭だけじゃない。
心も一緒に動くんだ。

歌を歌いながら。
「なぞなぞ〜」ってはしゃぎながら。
踊りながら。
私と子どもとの間で算数が膨らんでいく。

「さあ、片手にいくつ?」
「よっつ」
「じゃあ、お母さんの手には?」
そんなふうに親子でもやってみよう。

私の手にかかれば、
算数だって愛情になる。

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