小さい子って、
どんなふうに世界を見ているんだろう。
子どもの成長から考えると、
こんなふうに捉えられます。
小さな子どもって、
まだ「わたし」という自我が柔らかい。
世界と一体化しているような、
溶け合っているような。
世界という大きな輪の中で、
手をつないで踊ってるみたいな豊かさ。
自分も他者も薄ぼんやりしてて、
なんだかあったかい。
世界を見つめるというよりは、
自分を世界に向かって開いていく感じ。
でも9歳ぐらいになると、
「わたし」という自我がはっきりしてくる。
すると…
自分と他者の境界が濃くなる。
世界に自分を開くというよりは、
自分の目で世界を見る感じ。
つまりは、
一体化していた世界から切り離される。
それが、9歳だったりします。
ところが、
子どもはもう一度世界とつながろうとする。
14歳から21歳ぐらいまでにかけて、
子どもは現実の世界とつながろうとします。
かつての、
ふわふわした一体化した世界ではない。
ファンタジー調のあったかい世界でもなく、
現実にあるこの社会につながろうとする。
それも、
職業とか学業とか家庭とか、
社会的な役割を担って。
思春期を登り詰め、
たくさん悩んでたくさん行動して、
子どもはこの現実の世界で生きていく道を見つける。
もう子どもじゃないから、
大人として生きたいから。
それまで親が注いだ愛情、
たくさんのエール。
振り返ることすら忘れたように、
子どもは大人になっていきます。